大阪から現調

 2008年5月4日、午前7時半、大阪のSさんからメールが届きました。「今、現調のメンバーが大阪を出発しました。今年こそ、とずっと思っていましたが、念願がやっとかないました。若い世代と子どもたちが『狭山』にこだわり、新しい歴史をつくりつつあることがとてもうれしいです。子どもたちにとっては部落差別は、そこにあることは理解できても、実感は伴わず、その狭間で揺れ動くしかないのが実情です。でも、彼ら・彼女らが生まれるはるか以前、部落差別ゆえに「殺人犯」にでっち上げられ、いまなおそれと闘い続けている石川さんの姿は、何にもます「実感」を呼び起こすものではないかと思います。部落差別に基づく権力犯罪を撃ち続けるまっすぐな心が、単純明快な生き様が、彼ら・彼女らに伝わるのだと思います。子どもたちは、見たとおり、すれてなく、あどけないくらいです。狭山のこともまだまだ勉強不足のところがありますが、現地を目の当たりにして、一雄さんや早智子さんと出会うことは何よりの刺激となり、財産となると思います。(一部省略)」

狭山市駅東口から元気にスタート

 1ヶ月ほど前、Rさんから「子どもたちと現調に行きたい」という連絡があり、これまで交流のある皆さん方のお顔を思い浮かべながら皆さんを待っていました。Sさん、Rさん、皆さんが子どもたちに注ぐまなざしは温かく、一人ひとりをとても大事にされていることが一杯伝わってくるものでした。
高校生、中学生、小学生、保育所に通われている子どもたちや、保護者の皆さんが狭山市駅に着かれたのは昼頃。午後1時から現地を回られました。午後3時から5時過ぎまでの交流会の中で、これまでの取り組み等伺いました。「毎年5月と10月は『狭山市民アピールデー』としてずっとデモをしてきた。今日来た子どもたちは小さいときからそのデモに参加している」「狭山現調をしたいと、子ども会を中心に再生資源回収等、6年間かかって資金集めをし、やっと念願かなって狭山に来ることができた」「この1年間は狭山の勉強をしながら、赤いスタンプに指紋をつけて、手を真っ赤にして、石川さんのパネルを作った。このパネルを狭山に持ってきたかった」「現調来る前に子どもたちで狭山現調の地図を作った。帰ったらこの地図に勉強してきたこと、思ったことを書き込んでいきたい」「狭山事件は自分たちの問題。狭山事件を通して自分の立場を知ることができる。卑下するのでなく、部落に誇りを持つ闘いを一緒にしていきたい」「20年前現調に来た。その時高校生だったが今回は子どもを連れて来た。20年前とまったく景色は変わったが、今回来てまた新しいことを知った。子どもに話をしていきたい」」「20年前6歳の子どもを連れて現調に来た。子どもは26歳になった。しかし、狭山はいまだ解決していないのがくやしい」「現調は初めてだが、歩いてみて本当におかしいと思う。一緒に来た子どもはまだ小さいが、この子たちにもおかしいことはおかしいと感じ、言える人になってもらいたい」「小学校のとき、『石川さんは無実だ』と同盟休校をした。今回子ども2人と参加したがまだ無実を勝ち取れなく、石川さんが闘い続けている。くやしい。現調は2回目だが来ることで距離感なども実感できた。子どもと参加できてよかった」「小学1年か2年のときに現調に来たが、その時は余り解らなかった。今回の現調で改めて無実を確信した」等々・・・・・

1年がかりで作った狭山パネル

 一人ひとりからの感想や、これまでの取り組みを伺いながら、私たちは感動で胸が一杯になりました。「冤罪を晴らしたい」とこれまで精一杯生き、闘ってきた石川の思いは「2度と私を出させない」ということです。その想いがきっちりと伝わり、がんばっている子どもたちや、その子どもたちを「宝もの」として温かく、厳しく見つめている大人たちがいます。部落解放運動や、狭山にも光を見た想いでした。
 5月4日、23時、メールが届きました。「長年のみんなの思いが実現できてよかったです。子どもたちも実際に現地を歩き、より実感し、確信したと思います。〜略〜これからも今まで以上の思いで闘いを続けていきます。〜略〜」
 朝早くから出発し、現調、そして夜遅く大阪に帰りついた皆さん、皆さんの想いを一杯頂きました。また新たな出会いも頂きました。とても重いパネルを大阪から新幹線等乗り継いで直接狭山まで持ってきてくださいました。子どもたちが1年かかって、手を真っ赤にしながら作ってくださったパネルを、大事にして・・・・私たちも皆さんの思いを闘いの中で精一杯返して生きたいと思います。また皆さんと元気に出会えますように・・・・・


 2008年5月5日、Oさん、Sさんを中心に、ネットで出会った皆さん方が現調に来てくださいました。Oさん、Sさんはもう5回ほど現調に来てくださっています。今回もOさんの呼びかけで多彩な人たちの参加を頂きました。ネットで、ペンで、さまざまに活躍されている方たちが主体的に狭山に集まり、現地を歩く。新しい狭山の闘いの幕開けを感じさせてくれます。昨年もきてくださったTさん、その時も狭山署名用紙を持って帰ってくださり、沢山の署名を郵送してくださいました。今回もまた署名用紙を持って帰ってくださいました。狭山は今さまざまな形で元気に闘われています。