3月24〜26日、自分の無実を訴えるために、兵庫に行った時のことです。
25日朝方ハミングが聞こえました。何だろう?と一雄さんの顔をのぞくと、とてもうれしそうな顔をして何か口ずさんでいました。
こんなことはいままで始めてのことだったので「一雄さん、一雄さん」と呼ぶと、目がさめました。「どうしたの」と聞くと、「刑務所の中にいると看守が『外へ出てもいいよ』と言った。『ほんとですか』と喜んで外に出て歩いていくと、そこは広い広い野原だった。あまりにうれしくて、歌を歌ってた。何の歌だったんだろう」と一生懸命思い出そうとしていましたが、思い出せなかったようでした。
 そんなに楽しかった夢なら起こさなければよかったと思いました。
多分冤罪が晴れて身も心も自由になった夢だったんでしょう。“本当の自由を取り戻したい”そういう思いで一雄さんは毎日を生きています。