不当逮捕43ヵ年糾弾、第3次再審実現の決起集会にご参集各位に心から感謝の意を表す一筆をお届けいたします。
 先年の司法の府が下した不当極まる棄却に対し、良識ある民の怒りと共に、狭山の風が怒涛の如く巻き起こっている中で、第3次再審請求が申し立てられ、いよいよ生死を賭した闘いの火蓋が切られました。

皆さんもご承知の様に「狭山事件」は政治的要素が強いだけに、今後の闘いに於いても「狭山」が国家方針の中で、どの様に位置付けられているか、常に身構えつつ、大胆、且つ緻密に司法の良心に訴え、裁判官の自己決定を促す方向性を模索して参る所存です。確かに皆さんのお骨折りに依って社会に出して頂いて10余年間に、多くの人との出会いや、美しい物を見て感動したり、様々な知識を得ることもできました。夢や希望を持ち続けられて現在に至っているのも事実ながら、43年間、闘い継いで来た狭山闘争を振り返った時、果たして「正鵠(【せいこく】物事の急所・要点)を射るものを蓄積してきただろうか!」と自問自答すると甚だ疑問符する面を否定できません。故に今度こそ此の3次再審に勝利する為には今迄以上に性根を据えて、更に世論の喚起が不可欠と自分に言い聞かせつつ、原点に立って懸命に訴え活動を展開しているのであります。

何れにせよ、支援者皆さん共々の願いである「今迄の判決・判断などに予断を抱く事なく、十分に司法的抑制の理念に立って、弁護団提出事実を虚心に、そして真摯に精査され、大極的見地に立って検討されるように」を無視し、「精査・探求」どころか、特別抗告審もまた、机上論の荒唐無稽な暴論を持って大鉈を打ち振るった此の現実と、正義が断罪される今の司法の姿を思うと再審裁判の実現に容易ならぬ危機感が横たわっている訳ですが、でも私は幾多の困難を乗り越えてきたので、これからも何処までも真実を追究し、完全無罪が勝ち取れるまで不屈に闘い抜きます。

こうした狭山差別裁判を闘う中で、先般検察当局が「・・・裁判員制度に参加する裁判員に自白の任意性を解ってもらう為に、録画・録音をする」との発表でした。元より日弁連でもこれまで取り調べの「録画・録音」を強力に提唱しておりますし、またこの様な取り調べの可視化は今や世界的な潮流となっていますが、「録画」などは検察官の裁量に委ねられるとあってみれば、一歩前進とはいうものの、憲法が形骸化されていっている状況の中に「狭山事件」があるだけに、「警察・検察」の全過程で可視化の義務化と証拠開示実現、代用監獄の廃止なくして、えん罪は根絶しないことから、こうした訴えも、私は狭山裁判闘争を通して全国民にご理解を求めて参るつもりです。

頭書にも申し述べましたように第3次再審申し立てに依って、皆さんにも一層のご協力を賜らねばなりませんが、特に、新100万人署名もお願いするものと思いますので、何卒一人でも多くの獲得に力をお貸し下さいますよう切願いたす次第であります。

それでは日頃の尽力に対し、衷心より感謝し、同時に第3次にも更なるご支援をお願い申し上げて私のご挨拶といたします。今日は本当に有難うございました。


2006年5月23日

石川 一雄

不当逮捕43ヵ年糾弾、第3次再審実現総決起集会参加ご一同様