10・31 メッセージ

 寺尾不当判決34ヵ年糾弾・第3次再審実現決起集会にご参集下さった全ての皆様に衷心より感謝の一文をお届けいたします。
 再審闘争もいよいよ大詰めを迎えたこともあって、皆様方も例年に増して支援運動をして頂いていることと思われ、私も今度こそ法廷闘争に持ち込ませるべく、全精力を傾注し、不屈に闘っています。
 元より、弁護団提出の新証拠を精査・探求し、大局的な見地に立てば、最早事実調べを行い、私が「犯人」たりえるか否かを、速やかに判断出来る筈と解します。従って私は悲観していない反面、楽観も厳禁として、精力的に活動を展開しているのであります。
 ところで、支援者皆様にうれしいご報告をいたします。
 国連で、世界人権宣言が採択されて60周年の今年、ジュネーブで自由権規約委員会が開かれる由から、私自身が直接冤罪と証拠開示を訴えたいと、パスポートの申請をしていました。929日、パスポートが出た旨の電話がありました。そのときは喜びで心中が燃えるほどの感動でした。
 ジュネーブを訪問した期間は1012日から18日迄で、時差の関係で199時過ぎに成田空港に着きました。同行者は部落解放同盟中央本部の片岡中執と反差別国際運動(イマダ)から通訳をしてくださる方と私たち夫婦の4人でした。1日だけ日程に余裕を持たせて頂いたので、アルプスの最高峰・モンブランに登頂しました。4810メートルの天を突くような真っ白な山々の絶景に言葉もでませんでした。
 国連本部で自由権規約委員会の委員の方々が集まられた場で、日本から訪問した冤罪被害者の一人として紹介され、証拠開示を訴えました。私の訴えは最初と最後を英語で述べ、後は通訳の方にお願いしました。私は無実ですと英語で話したときは胸につまるものがありました。
 何れにせよ、前述のように国連「自由権規約委員会」の委員に訴えたからといって、それだけで即成果が上がるという甘い考えはございませんが、何年か前、アメリカの人権団体から集会参加の打診があった際は、国外に出ることは難しいと言われたこともあって、今回は国外に出られるようになり、直接私自身が日本の司法の有様を訴えられたことは大きな前進であり、意義あるものと思います。皆さんもご承知の様に、世界各地において、無辜の民を救済する再審で、検察が隠し持つ証拠が開示される大きな流れになっているので、私は委員にその点を強調して訴えました。こうしたことが実現したのも、部落解放同盟をはじめ支援者の皆さん、関係者の方々のおかげです。あらためて感謝の意を表するとともに、私の訴えが少しでも、日本の司法の民主化に役立てばと願っています。
 恐らく今、東京高裁の門野裁判長は弁護団より提出された補充書等を含め熟読加味され、再審開始決定の検討に入っているものと思われますが、私自身も本審で無罪を勝ち取り、長い闘いに終止符を打つべく、上申書の作成に全力で取り組んでいる最中です。科学鑑定や、足跡に関する3次元スキャナーを使った鑑定など、事件当時と格段に進歩した科学的鑑定技術による新鑑定もたくさん提出されているので、裁判官が予断を抱くことなく、真摯に精査すれば、「事実調べ」を行った上で、判断をされるべきであるし、また私もそうされることを強く望んでいます。
 今書いております上申書の一つには、私の再三の証拠開示請求を、理不尽極まりない難癖をつけて踏み躙り続ける検察の証拠不開示に対し、裁判官に「自白」の「虚偽性」「架空性」を知っていただく上で、絶対に必要なのは「現場検証」をしてもらう一点にあると思うことなどから、その事を理解していただく為の上申書であります。
 第三次再審闘争も大詰めを迎えています。
 
裁判が開始されれば、皆さんにも、何かとご協力を賜らねばなりませんが、先ずは「再審開始決定」が出るまでは気を緩めることなく、全力で闘いぬく決意で居りますので、どうか皆さん方も更なるお力添え下さいますよう、本紙上よりお願い申し上げます。

今日は本集会にご参加いただき誠に有難うございました。毎度の事ながら、心から感謝の意を表してご挨拶に代えて失礼します。

2008年10月31日

    石川 一雄