新年のメッセージ

全国狭山支援者の皆さん、新年明けましておめでとうございます。

私も爽やかな気持ちで2010年の朝を迎え、決意を新たに第一歩を踏み出せることができました。まだ小さな光ではありますが、私の鬱積した気持ちを一気に吹っ飛ばせてくれたのは、昨年暮れの「開示勧告」を出した裁判長の勇気ある英断でありました。それを出させたのは46年に及ぶ皆さん方の闘いの弛み無い努力の結晶であり、支援者各位が心を一つに、再審実現の一点を目指し、闘いぬいて下さったことに、感謝の気持ちで一杯です。

勿論これからが本当の闘いであってみれば、「開示勧告」されたからといって浮かれているわけではなく、逆に新年の第一歩を心を引き締めて踏み出しつつ、今年こそ「事実調べ」や「証人調べ」を通して、再審開始をさせねばならず、そのためには、更に全国民的大衆運動に盛り上げていかねばなりません。私も不屈の精神で闘って参ります。東京高検は「開示勧告」に従い、すみやかに証拠を出してもらいたいと思います。

それにしても裁判長の心を動かし「開示勧告」を出させた「要因」は弁護団の並々ならぬ努力で無実を明らかにする多くの証拠を積み上げてきたことと共に、「公平・公正」な裁判を求める署名が100万筆を超えたことなど忖度した結果、最早無視できないまでに追い込んでいったものと思われます。

再審の理念とは合理的疑いを超えて証明されている筈の有罪証拠を具に検討され、今迄の裁判所の判断、認定に疑問を持って見直すことであろうと思います。加えて、幾多の重大な、素人でも感じる問題点に応えないまま、一方的に有罪認定し続けてきた各裁判所の姿勢に今回の「開示勧告」は一石を投じ、真相究明に踏み込んでくれたものと解します。支援者を前にして言及するまでもない事乍ら、裁判とは犯罪事実自体に存ずる疑問を解明する努力をなし、初期の取調べ及び自白に至る生成過程の実態を究明すべき義務を負わされている筈なんです。ところが狭山事件に限っては、これまで、其の尽くすべき審理をせず、確定判決を無条件に擁護してきました。今迄の裁判は新証拠を蔑にし、私を犯人に決め付けて「本末転倒」の論理を用いて「有罪」にしてきたわけですが、門野裁判長は「無辜の救済」という再審の理念に従ったものと思われます。

最大の山場であることから、新年早々から支援のお願いに終始したことに申し訳ないと思い乍もやはり、私の拠所は皆さん方でありますので、その辺をご理解頂いて、「開示勧告」をバネに、事実調べをさせるために大きな世論を起こしていただきたい。是非とも本第3次再審請求で無罪を勝ち取って終結できますよう、昨年以上のご協力を賜りたく切望する次第であります。私も全精力を打ち込んで闘ってまいります。
 最後になりましたが、皆さんがたのご健勝とご活躍を念じつつ、ご挨拶といたします。

201011

石川 一雄