近 況

  2018年2月25日、BS日テレで11時から「ドキュメント18 あたいはやっちょらん」再審制度は誰のもの が再放映された。大崎事件の犯人とされ、38年間無実を訴え続けている原口アヤ子さんは90歳になられた。鹿児島地裁で2度も再審開始決定が出されながら、検察の抵抗で、未だ裁判は始まっていない。大崎事件といわれるものは、そもそも事件ではなく、事故との弁護団の主張であり、それが認められて、再審開始決定が出されたのだ。疑わしいなら、裁判の中で真実が究明されるべきもの。なぜ裁判を開くことに検察は抵抗し続けるのか。「検察官の抗告制度は、迅速な公開裁判を求める法律に違反し、検察の時間稼ぎでないか」「再審制度とは無辜の救済のためにあり、裁判を受ける権利を保障するためにある」「ドイツを手本に法律はつくられたが、ドイツでは50年前に検察の抗告は廃止された」等番組中で話されていた。大崎事件でも狭山事件同様、証拠隠しがあり、第3次再審請求の途中に、隠されていたネガフイルム18本が出されたという。「証拠は誰のものか」との問いかけは重い。一人の人間や、その人につながる多くの人たちの冤罪を晴らす38年の闘い。警察、検察は証拠隠し、証拠捏造、自白の強要、事件のデッチアゲをする。冤罪で闘い無罪判決を勝ちとった人たちに謝罪もしない。責任も問われない。だから冤罪は続くのだ。90歳になられた原口アヤ子さんが生きているうちに、共に雪冤を晴らしたい。

2018年2月24日、「袴田巌さんの再審を開始せよ! 2・24全国集会」がYMCAアジア青少年センターで開かれた。袴田さんは静岡地裁で再審開始決定が出されたが、検察の即時抗告があり、今も東京高裁で審議中だが、3月中には判断がだされるそうだ。袴田弁護団から「来る決定は即時抗告棄却以外ありえない。また、特別抗告を絶対許さない闘いを」と訴えられた。
 袴田巌さんはお姉さんの秀子さんと一緒に会場に。元気に「警察、検察、裁判所は無実だから釈放した」と発言、会場から大きな拍手が沸き起こった。秀子さんから「今日巌はローマに行くつもりで来た。ローマ法王になっている。長い裁判だったが、期待している」と話された。「特別抗告」リレートークでは江川紹子さんや、雨宮処凛さんが参加されていた。雨宮さんから「昨年5月、狭山集会に行き、えん罪とかかわるきっかけとなった。

 
 小室ファミリーと金監督と

それまで貧困問題を中心課題として取り組んできたが、狭山集会で石川さんや、袴田さん、菅家さん、桜井さんと出会った。これからも共に闘っていきたい」と話され、お忙しいと思われるのに、集会が終わるまで参加されていた。私の前の席に座られていたが、雨宮さんの「寄り添いたい。ともに」という気持ちがいっぱい伝わってきた。

 
 

 菅家利和さん(足利事件) 石川一雄(狭山事件)も連帯の挨拶を。石川は袴田さんと「死刑囚」として6年余り、東京拘置所で過ごした。お互いの房を行き来し、イワちゃん、カズちゃんと呼び合っていたそうだ。1時間の昼時間にシャドウボクシングをしていた袴田さんの様子を語った。社会に出たらまたボクシングをすると体を鍛えていたと言う袴田さんと石川は、2014年に40年ぶりの再会を果たした。あれから4年、袴田さんの表情はとてもやわらかくなっていた。
 映画「獄友」予告編、金監督の挨拶、小室等さんの歌、盛り沢山の内容だったが、袴田さんの元気な様子と、裁判の前進を信じた支援者の思いが温かく伝わった集会だった。
 集会後、「石川さん」と話しかけられ、封筒を手渡された。お名前は?と伺うと、「袴田さんの支援者の知り合いです」とおっしゃられ、そのまま去っていかれた。狭山に帰り、封筒を開けてみると多大なカンパが入っていた。あの時「名刺を」とお願いしたが、「シライ」です。と名乗られただけだった。シライさんほんとうにありがとうございました。

 2月24日 同じ会場で福岡事件のパネル展(西武雄 遺品展示)があった。
 主催されている古川龍樹さん(生命山シュバイツアー寺)のお父さんの泰龍さんは狭山事件の支援をしてくださり、石川に「無実の死刑囚、お元気ですか」とのお手紙を下さっていた。

 
 古川龍樹さんのお話を

一雄にとって決して忘れられない人だという。

会場で龍樹さんにお会いし、そのことを伝えた。

  「叫びたし 寒満月の割れるほど」    

と詠んだ西さんのハガキを購入。

 2月22日、鹿児島のYOUKOさんからたんかんが
 2月25日 福岡のCHIYOさんからトマトが届いた。
 青森の歌詠みNOBUIさんから「きれいになってね」といっぱいの贈り物。私はおしゃれに無頓着なので、「生前は姉妹かも?」と言って下さる彼女の優しさに甘えてばかりだ。

 もう春はそこまできている
この冬は驚くほど雪が多かった
現地事務所も真っ白になった
今寒さに耐えた現地事務所の桜の木はいっぱいのつぼみをつけている
 春はそこまできている

     
たんかん、トマトありがとうございました  現地事務所にメジロが