近 況

 2019年9月19日、部落解放同盟中央本部で「拡大全国狭山活動者会議 狭山住民の会全国交流会」が開かれた。
開会挨拶で中央本部・組坂委員長から「狭山再審闘争を楽観せず、さらに大きな世論を起こさねばならない。狭山闘争勝利にむけて最後の血の一滴まで戦い抜こう。」と話された。

狭山弁護団から「これまでの、下山鑑定、福江意見書等、科学的な鑑定を裁判所に提出し、確定判決を突き崩した。9月9日に開かれた40回目の三者協議で、検察は、福江意見書に対する反証は10月に提出の予定であるとしながら、下山第2鑑定に対しての反証は出す見通しが立っていない状況である」と話したそうだ.
逃げと引き延ばしの検察の姿勢は許されない。
現在の刑事再審法では、再審における「証拠開示」が明記されていないし、たとえ地裁、高裁で再審開始決定が出ても、検察が上訴できる。再審開始決定は、もう一度裁判をやり直す、ということであり、「無罪」判決ではないのだ。これではいつまでたっても無罪判決が勝ち取れない。担当の検察、裁判官は、異動等で人は変わるし、私たちの税金を使って鑑定をする。自分の腹は痛まない。お金も、支援者もない人は再審請求もできない。また、冤罪者は変われないので高齢になるばかりだ。
2009年、狭山事件に画期的な証拠開示勧告が出された。検察も渋々ながら、これまで200点ほどの証拠開示をしてきたが、10年経った今も、証拠開示勧告された証拠の一部につい検察は「見当たらない」等言っている。

今回も全国各地から、「今の状況は」「今後の見通しは」との思いを抱いて多くの人が来てくださった。弁護団も証人調べ等を全力で勝ち取る闘いを進めると話された。
当面の予定として2019年10月31日は「寺尾判決から45年、狭山市民集会を全力で取り組む」ことを確認し、会議をおえた。

この日、8月6日大阪・池田での狭山集会で頂いた署名85筆を頂いた。
大阪の大賀正行さんから、お手紙と、連れ合いの喜子さんが指導されている「あわじ寺子屋」からの寄せ書きを送って頂いた。
9月20日大阪のBinさん、後藤裁判長に380枚目のはがきを。
福岡の尾上さんからたくさんの資料を。
福岡の小野さんから文芸誌「革」が送られてきた。今回は「東京高裁前で」とのタイトルの詩が掲載されていた。尾上さんも、小野さんも遠く福岡から高裁前に駆けつけてくださっている。
「狭山事件を考える北九州市民の会」は9月23日にJR小倉駅で146回目の座り込みの知らせ。
週刊金曜日9/20 1249号の投書欄に、大阪の佐々木さんの「えん罪事件を裁く 後藤真理子裁判長の真価」が掲載された。これまでも佐々木さんは何度も「週刊金曜日」に投書し、狭山記事が掲載されてきた。
たくさんのお手紙、寄せ書き等頂いているが、なかなか礼状を出せなく申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
9月23日には「狭山事件の再審を!関西キャラバン」のスタート集会だ。2020年2月24日エルシアターで「第4回市民の集いin関西」の開催が予定されているがそれにむけて工夫した様々な戦いが展開されている。

この思い、闘いを決して無駄にしない。最後の血の一滴まで。