近 況  生きる   2020年4月8日

 2020年4月7日、「緊急事態宣言」が出された。一番危ない人が大きな力を持つ緊急事態宣言を出すというこのおそろしさ、おかしさ。
緊急事態宣言を出して国民にさらなる自粛要請を強行する。補償もない中で、仕事を休め、店を閉めろ、と言われても、中小、個人経営の人たちや、そこで働く人たちは生活が懸かっている。テレビを見ていたら、「マスクを全世帯に2枚送ります」と胸張った安倍さんに対し、「アベノマスク」と揶揄されている。1枚200円×2枚で400円、送料などを入れると200数十億円だそうだ。4月1日のエイプリルフールの悪い冗談かと思ったが、実行されるらしい。(4月10日のNHKテレビ報道によると全世帯2枚送付のマスクにかかる費用は466億円かかるらしい。訂正しました。4月10日))
また、1世帯に30万円支給と大きく打ち出した。よく聞くと、年金生活者などは関係なく、収入が半減した人で、全体で2割ほどの人が該当するという。オイ、オイ、ぬか喜びさせるなよ。いつもの見せかけだけの大風呂敷き。

 もっと許せないのは、コロナ危機に乗じて、「緊急事態条項新設」の改憲論議まで始めた。
モリ、カケ、サクラ、高検の黒川検事長の定年延長の閣議決定など、許しがたい不正義が殆ど消えているような状況に警鐘を鳴らしたい。
このところ、テレビに安倍さんの顔が出ると、気分が悪くなり、チャンネルを変える。ほんとはしっかりチェックしなければと思うのだが・・・・

 3月30日は鹿児島の大崎事件の第4次再審請求が出された。

 3月31日は湖東記念病院事件で大津地裁が再審無罪判決を出し、4月2日、大津地検が上訴権(これが問題だが)を放棄し、無罪が確定した。湖東記念病院事件で再審開始決定を出したのは、当時大阪高裁にいた後藤真理子裁判長だった。6月に定年退官を控えた後藤裁判長にとって、6月に開かれる43回目の狭山裁判の三者協議が最後になるのだろう。後、1か月余り。後藤裁判長が裁判官として、最後の正義を貫くと信じている。信じたい。

 3月28日は一雄の母リイさんが亡くなった日。昨年が33回忌だった。最近は愛犬の散歩で朝夕墓の前を通るので手を合わせている。28日は花を手向け写真を撮ってきた。4月4日、石川に写真を見せると涙ぐみ「ありがとう」と言った。 

4月8日、10時ごろ電話があった。東京清掃・人権交流会のGさんだった。「現地事務所に来ています。現地事務所の塀にピクルスをかけておきます」との事、「直ぐに行くから」と待って頂いた。沢山のピクルス、タケノコの煮物、お手紙を頂いた。お手紙には「この大事な山場にコロナウイルスで活動を自粛、残念無念としかいいようがありません。家から出られない状況はこれから長く続くことになると思います。お二人の暮らしが心配になり、ピクルスとタケノコの煮物を作りました。郵送も考えましたが何人かの人の手が入ります。思い切ってお届けに参りました。もちろん接触を避けるために現地事務所の塀にかけておきます。お二人とも健康に留意してください(一部抜粋)」と書かれていた。Gさんのやさしさ、心遣いが胸に迫る。

 この間、集会や、現調の中止、延期が相次いだこともあり、たくさんの人が石川の健康等心配してお便り等を頂いた。
4月になってからも、福岡のMさんから掘り立てのタケノコ、千葉のKさんから実家・長野の名産品を、大阪の良子さんから故郷高知の文旦を、兵庫のMANAMIさんからトマト、埼玉のAさん、トマト(石川は毎日トマトを欠かさない)、福岡のOさんから文芸誌「革」を送って頂いた。みんなあったかい。

 石川は家に籠っている。
一歩も外に出ない(病院には行ってるが)。以前はウォーキングを続けていたが、それも止めて、今は家の中で腕立て伏せ等の運動を続けている。私が「外に出ないとストレスがたまらない?」と聞くと「31年7か月、理不尽で、不自由な獄中生活を強いられた。今はしんどければ横になれるし、いつでもCSテレビ(動物))も見られる。ストレスはない」と言う。
裁判の状況は、起きている間中頭から離れることはないし、目の調子が良くないことを除けば、どうってことないようだ。獄中でずっとストレスをためていたらきっと病気になっていただろう。闘いの中で強くなっていったのだろう。

石川はいつも生きるための闘いを続けていると感じる。