狭山事件と志布志事件を考える県民集会  

 2006年2月18日、鹿児島県で「狭山事件と志布志事件を考える県民集会」が開かれました。志布志事件は2003年、鹿児島県志布志町の静かな農村で起きた公職選挙法違反事件です。2003年4月におこなわれた統一地方選挙の鹿児島県議会選挙で、ありもしない会合があったとでっち上げられ現金や、焼酎を配った、買収供応したとされ、突然に15人もの住民が鹿児島県警に容疑者として逮捕され、警察の留置場で過酷な取調べを受け、ウソの自白を強要されました。あまりの取り調べの厳しさに、何人もの人が自殺(未遂)を図ったり、救急車で病院に運び込まれるなどしました。13人が起訴されましたが、全員が無罪を訴え、現在公判中です。

 昨年2月、鳥越俊太郎さんがキャスターをされている朝日テレビ「ザ・スクープスペシャル」(2005年2月13日放送分、第10回スクープスペシャルで動画配信中)で狭山事件と一緒に放映されました。ある日突然善良な市民が犯人にされ逮捕、拘留、起訴され自由を奪われ、人生を奪われるような理不尽が現実に起きたのです。狭山事件から40年以上たった今も狭山事件と同じようなことが起こっていることに怒りがこみ上げます。

 無実を訴えて闘っている志布志事件で被告とされた皆さんの発言に石川の思いが重なりました。
「今迄警察は悪いことをした人を捕まえるのが仕事と思っていたが違った。警察は人の体調も人権も考えないひどい所」「厳しい刑事と優しい刑事に交互に長時間取り調べられた。まさに地獄の日々だった。ありもしない会合があったとされ、人間以下の取り扱いをされた」「『お前は死刑にしてやる』と、警察に言われた。何もしていないのにショックを受けた。私だけでなく取調官に『拳銃で殺してやる』と言われた人もいた」「真っ白い部屋の中で午後11時ごろまで毎日取り調べられた。恐怖感で一杯だった」「『うそばっかりつくと地獄に行くぞ』といわれた。認めても地獄、認めなくても地獄、何を言っても警察は聞いてくれなかった」「『早くしゃべって楽にならんね。弁護士の言うことは信じたらあかん』と言われた」「『いつでも逮捕できる。お前が逮捕されれば子どもの将来もないし、財産もなくなる』といわれた」「他のものは自白している」と言われた、等々。
皆さん同じように過酷な取調べを受け、「自白」をさせられてしまいました。しかし、集落に帰ったとき集落の人たちが温かく迎えてくださったそうです。「私たちがここまで頑張ってこられたのは、集落の人たちの温かさと、多くの支援を頂いたからです。石川さんも40年以上の長い闘いをされているが、私たちも応援をします」と言ってくださいました。

 密室での長期にわたる取調べ。取り調べの記録は何も残されない。弁護士や、家族との接見交通権は侵害され、被疑者とされた人は孤立させられます。えん罪が起こる構造は似ています。このような司法は変えていかないとまたえん罪は起こります。

「志布志事件や、狭山事件などで真に裁かれるべきは誰なのか。真相究明と再発防止のために今後も運動を続ける」という住民の人権を考える会(志布志事件の会)Tさんの発言はすべての人に投げかけられたものでした。

 1998年、国連・規約人権委員会でカナダの委員から「えん罪で殺人事件に問われたとしている『石川(狭山)事件』では弁護団は全ての必要な情報または証拠にアクセスできないと言っている」との質問に対し、日本政府は「証拠開示によって関係者のプライバシーが侵害される。将来の捜査に対する協力が得られなくなる恐れがある」と答えています。
人権委員会から出された最終見解は
○代用監獄は自白を強要する懸念があるので電気的手段(ビデオ録画等)により記録されることを勧告する
○弁護側がすべての関係資料にアクセスすることができるようその法律と実務を確保することを勧告する
○裁判官、検察官及び行政官に対し、人権についての教育がなんら用意されてないことに懸念を有する。かかる教育が得られるよう強く勧告する、等でした。
 
 日本政府はこれらに真摯に答え、人権後進国の汚名を晴らすべきです。


第97回曹洞宗宗議会議員人権学習会

 2006年2月21日、曹洞宗の人権学習会でお話をさせていただきました。
東京港区芝にある曹洞宗宗務庁は芝公園の近くにありました。曹洞宗では人権学習ビデオに狭山事件を取り上げて下さっています。おかげさまで多くの場所で狭山学習会を持っていただきました。皆様方のご支援が大きな力となって確実に支援の輪は広がっているのを実感させていただいています。
 全国で126の住民の会が結成されています。熊本・青森の住民の会では、その中心でご尽力いただいているのが曹洞宗の皆様方です。
石川は「多くの人の力で世論を起こし、第三次で花を咲かせたい」と支援のお願いをさせていただきました。